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2006年1月15日16時23分
時点のものです。

The Clash of Civilizations and the Remaking of World Order

The Clash of Civilizations and the Remaking of World Order

人気ランキング : 23,199位
定価 : ¥ 1,924
販売元 : Touchstone Books
発売日 : 1998-01-28

価格 商品名 納期
¥ 1,635 The Clash of Civilizations and the Remaking of World Order 通常24時間以内に発送
アメリカ政府の新たな正当化の理論

 本書は、アメリカ政府のために書かれたものであり、矛盾だらけである。例えば現在のアメリカは、ユダヤ資本の影響をうけており、パレスチナへの侵略に手を貸している。(ただしどちらが正しいわけではないが。結局、この世は強い者の勝ちだ。)しかしそのことの記述が無い。
 ある人の言葉を借りれば、アメリカ合衆国の政策決定に置ける「文明の衝突」論の意義は、「ダブルスタンダードの公式化」にある。従来は、「民主主義のため」という口実ですべてやっていたのが、それだけでは立ち行かなくなってきた。それで、もう一本の柱として、「文明の衝突」論をおき、非民主的な政体を支援するときはこちらを使う。こうして、この相反する2つの理念を使い分け、都合が悪くなったら相手の論に責任転嫁をしながら、国益にかなった政策を展開する「文明の衝突」論は、実は、従来のイデオロギーを暗黙の前提として、それを補う形で機能する。すなわち「文明の衝突」論単独ではとても現実の政策の指針とはならないだろう。その意味でアメリカ政府の侵略に対する言い訳を知るべきだ。だから世界中の人々が、文明の衝突を読むべきだ。

圧倒的迫力とスケール

著者の最新刊が話題になっていたので、昔の話題作である本著を買ってみました。
理論を単純化し過ぎという批判もあるのでしょうが、そうした視点を提示することに意義があるでしょうし、その比類ない迫力とスケールに、圧倒されます。

湾岸戦争、イラク戦争といった出来事に接するにつれ感じるのは、自分がいかに現代の歴史について無知であるかということです。大学受験で出題されないからという単純な理由で、主に大正以降の日本と世界の歴史について全く勉強しないまま社会人になってしまった自分ですが、そういう人は多いのでは。
今日世界で起こっていることは、一番近い過去との連続であり、縄文・弥生に強い人は受験戦争は戦えますが、現代を生き抜くことは出来ません。

サッカーアジア杯に於ける中国人の敵意むき出しも、ワートレに飛行機をぶち込んだイスラム教徒も根っこにあるのは概ね同じだと知るに至ると、この本のコワサが身に沁みて、ぞっとします。そうした歴史の流れを踏まえず、さしたる覚悟もなく、「純粋な善意」だけで平和やボランティアを唱える人たちにも是非一読をすすめたいところです。

原著は、専門的な馴染みのない英単語が多いのと1文が長いので骨が折れますが、めげずにとばして読んでいくと、繰り返し繰り返しロジカルに論旨が展開していきますのでその内にわかってきます。学者さんの書く、無駄のない文章というのは、こういうものなんでしょうかね。

ここ数年先のアジア地域における国際情勢の指針となる。

 この本は大変に今後の世界情勢の動向を占うのに参考となりました。現在のアメリカ対イラクの図式もこれを読めば理解できるし、今後の中国対東南アジア諸国、日本、そしてアメリカとの対立の図式も見えてきます。
 
 今後の中国の動向には目が離せず、現在の中国の経済発展はいずれ中国とアメリカの対立となるだろう。その時の日本の状況も十分に考察されており、今後起きる可能性の高い東南アジアでの紛争まで、書き記されている。ここ数年先を読むために、ぜひ一読されることをお奨めします。

10代ががんばって読んでみる

これからの国際情勢を予想して書かれているのだが、なんども読みなおしているうちに、ここは違うんじゃないかなと思われるところが出てくる。
そして自分の考えと本書の考えを比べて、将来どっちがあっているのか考えてみるのが面白い。若い人はこの先何十年でも生きることになるんだし。
友達にも読んでもらって、感想を聞きたくなる一冊。

アイデアは秀逸だが妥当性を欠く分析あり

 この本が出版されていらい、国際関係論、文明論はこの本に言及することなしにはいかなくなった。その意味で、ひとつのホールマークとして必読であるということができる。
 最初に著者自身も記している通り、世界の政治地図を「文明」によって分類するというアイデアは、ひとつの作業仮説に過ぎない。著者の記述は、文明という分析ツールを用いるというパラダイムが、実際に有益であることを示すという作業に当てられている。
 その具体的分析では、妥当な箇所、説得力に満ちた箇所と、著者の独断や偏見により穏当を欠く場所とに分かれている。後者の例を挙げておくと、「文明の衝突」を実際には西欧文明対イスラム文明、という図式のみで捉えられていることが挙げられよう。中国文明に対する記述も量的にはかなり登場するが、中国が取っている現実の政策についての当てはめは妥当であるという感を抱くものの、中国の行動予測については悪い意味で想像力があり過ぎるように見える(これは中国が穏健な、安全な国である、とイイタイわけでは決してない)。同様のことがわが国に対しても当てはまる。中国の台頭に関して柔軟な姿勢を取るだろう、という予想はその通りかもしれないが、アメリカから中国に同盟関係をシフトされてゆく、ということはまず考えられないからだ(これは「文明」に「オリエンタリズム」と「自文化中心主義」の両方の要素があることを著者が見落としている一つの例である)。


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