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2006年1月14日4時45分
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Dismantling the Welfare State?: Reagan, Thatcher, and the Politics of Retrenchment (Cambridge Studies in Comparative Politics)

Dismantling the Welfare State?: Reagan, Thatcher, and the Politics of Retrenchment (Cambridge Studies in Comparative Politics)

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定価 : ¥ 2,643
販売元 : Cambridge University Press
発売日 : 1996-01

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¥ 2,907 Dismantling the Welfare State?: Reagan, Thatcher, and the Politics of Retrenchment (Cambridge Studies in Comparative Politics) 通常8〜12日以内に発送
福祉節減の政治

 ポール・ピアソンは世界の福祉国家研究を主導するハーバード大学教授で、本書は学界に大きなインパクトを与えた著作である。本書の主張は「福祉節減期の政治は福祉国家拡張期の政治と基本的に異なる」という点に要約される。表題の「Dismantling(崩壊)」に疑問符がつけられている意味は、「崩壊ではなく節減(Retrenchment)だ」ということ。
 ピアソンは、レーガン政権期のアメリカとサッチャー政権期のイギリスの福祉削減の政治を比較し、これら二つの政権がなした福祉削減の政策が巷間語られるイメージよりもずっと穏健なもので、福祉政策は保守政権の攻撃に対して反発力があったことを示すことで、この主張を論証するのである。ピアソンが福祉節減の政治の特徴として重視するのは、過去に形成された政策が福祉改革の選択肢を制限するという政策フィードバックだ。それゆえ、福祉政策の安定性(あるいは脆弱性)は個別のプログラムの性質とフォーマルな政治制度との組み合わせで説明されることとなる。
 この「福祉節減の政治」の独自性の主張は、福祉国家論の世界で支配的学説の地位まで登りつめた、権力資源動員論と新制度論に対する批判であった。ピアソン自身、新制度論に依拠しているのでそれに対する批判は限定的だが、権力資源動員論に対する批判は厳しいものがある。確かに、左派動員力が著しく低下したイギリスとアメリカで福祉国家の安定性が示されれば、権力資源動員論の再編期の福祉国家を説明する能力に疑問符はつくかもしれない。しかし、ピアソンの個別の政策が政治を規定するという論理はある意味あたりまえであり、それだけでは福祉国家再編のヴァリエーションという大きな問題をとらえる分析枠組みとはなりえない。権力資源動員論が問題にするマクロレベルの世界と、ピアソンが問題にするメゾレベルの世界とは、分析の位相が違うのではなかろうか。


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