このページの情報は 2006年1月14日4時47分 時点のものです。 |
バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音)
紹介するのも恥ずかしい、歴史的名盤名ワケですが。
とてもBGMにはできません。かたかたかたかた,やたらと頭に入ってきます。
このアルバムを聴くまでクラシックを馬鹿にしていた自分。繰り返しの音楽。たとえバッハの作品でも。なぜこのアルバムを聴いたのか覚えていない。評論家が絶賛するから?値段が手ごろ?音質が良い?曲を知っている?いや違う!このアルバムのオーラが私を引き寄せ聴かせた。グールドのタッチは思慮深く、繊細で、芯が有り、心の奥底に染み渡る音。甘くなく、辛くなく無色透明の音。しかしグールドの音。大バッハの音。この曲は私が敬愛するキースジャレットもチェンバロであるが作品を残している。キース最高と思っていた私の頭に核爆発。グールドの唸り声。これを聴くと胸が熱くなる。ただ純粋に音を出し演奏に打ち込む。凡人の行為のはるか彼方。及びもつかぬ、想像を絶する彼方。はるか彼方。演奏自体が信じられない。ただただ聴いて自分の小ささを知る。純粋にただ純粋に
30年程前、学生時代に初めて聴いたグールドのゴールドベルク変奏曲(55年盤)強烈に印象に残った。その後に出たこの81年デジタル盤も含めて、あれから30年間聴き続けてもちっとも飽きない。そんなグールドの音楽は、ある意味「麻薬」なのかも知れない。グールドの他の曲の演奏にもそんな「麻薬」がいっぱい詰まっている。ゴールドベルクはグールド入門にはピッタリだ。僕はグールドの全集を持っている。たまには変な味の演奏もあるが、それもまた楽しからずや。いっぺんに聴いてしまうのはもったいない。グールドはウイスキー片手に、CD1枚づつ集めては、1枚づつ味わいながら聴く大人の音楽です。
1955年6月、グールドはニューヨークのCBSスタジオでバッハの《ゴルトベルク変奏曲》を録音した。このデビュー盤の録音のとき、コロンビア・レコードの重役は、グールドが、当時、親しまれてはいなかったし難解と思われていた《ゴルトベルク変奏曲》を選曲したことに反対した。しかし、グールドはそれを斥けた。このレコードはすぐさま評判になり、ベストセラーとなって、グールドは一流の演奏家として認められた。またこの録音によって《ゴルトベルク変奏曲》は世に知らしめられた。このことは、当時、グールドには《ゴルトベルク変奏曲》への深い思い入れがあったことを示す。 |
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