Magpie Eyes 1982-1985
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人気ランキング : 33,910位
定価 : ¥ 1,820
販売元 : Rev-Ola
発売日 : 2005-08-29 |
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こういう存在が、もっと知られていれば、まだ捨てたものじゃないのに |
クリエイション・レコーズの設立者にして、現在のポップトーンズの代表であるアラン・マッギーが、クリエイションの初期に、最もソングライターとして推していた存在が、ピート(ピーター)・アスターという人物であると言われている。彼は1980年代後半に、ウエザー・プロフェッツというバンドを率いて活動していたのだが、その前に率いていたのがこのザ・ロフトというバンドである。
ザ・ロフトは、活動期間中にアルバムを出すに至らず、シングル2枚をクリエイションから発表して解散してしまうのだが、そのシングルとその他のライヴ音源などをまとめたのがこのCDである。
かなり以前に、同じような内容のCDが発売されていたのだが、長らく廃盤であり、このCDの発売は実に喜ばしい。当時を振り返ったメンバー各人の文章に加え、アラン・マッギーやマニック・ストリート・プリーチャーズのジェイムズ・ディーン・ブラッドフィールドなどが彼らに対する賛辞を改めて寄せている。
明るく快活としたギター・ポップとは異なり、ピート・アスターはどことなくほの暗く影を帯びた感じの曲を作る人なのだが、それがザラついたガシャガシャしたアレンジとアスター独特のふらつき加減の柔らかな声で表現される。たぶんR.E.M.辺りが好きな人は一発で気に入るだろう。アスターは近年はウィズダム・オヴ・ハリーという名義で打ち込み中心の音楽をやっていたりするが、もっと一般的に広く知られていい存在である。その初期の瑞々しい要素が、この作品の中にはたくさん詰まっている。