このページの情報は 2006年1月15日16時23分 時点のものです。 |
The Complete Short Prose, 1929-1989
『ゴドーを待ちながら』など劇作家としての印象が強いベケットだが、私は彼の散文を高く買っている。彼の文章には不思議な淀みと流れの拮抗があるからだ。この年代順にあまれた短編集を読めばそれがよくわかると思う。初期の「初恋」などの名作から、後期のより実験的な作風のものまで(ただ「また終わるために」「いざ最悪のほうへ」などの掌編はもれている)。日本でもベケットの大部の評伝が翻訳出版されたことだし、それの各年代記述と散文を読み比べてみるのも一興だ。 |
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