１９８０age　〜１９８９年〜

Neorealism and Its Critics (The Political Economy of International Change)

人気ランキング ： 302,009位 定価 ： ￥ 4,156 販売元 ： Columbia Univ Pr 発売日 ： 1986-04-15

手ごろな論文集

Kenneth Waltz, Theory of International Politicsのうちのいくつかの章、その理論に対して提起されたいくつかの批判的論文および、それへのリアリズム側からの反論の各論文をまとめたものです。
当時の理論状況について、教科書的には、ネオリアリズムとネオリベラリズムとに主な焦点が当てられることが多いということを考えると、この論文集においては、現在、コンストラクティヴィズムの代表的論者の一人とされるJ.G.Ruggie、批判理論のR.Cox、ポストモダニズム（？）のR.Ashleyらの論文が、リベラルのR.Keohaneの論文と並んで、各一本ずつ掲載されているという点には興味深いものがあり、国際関係論における現在の理論状況を考える上でも有用な本になっていると思います。
ただ、それとの関係で言うなら、Keohaneが、Ashleyの論文から、彼が「伝統的な」リアリズムについて述べた箇所を省略してしまっていることは、モーゲンソーやカーについての再評価・位置づけの修正が進んでいる現在の目から見ると、残念な結果となっています。
なお、Keohaneによる冒頭の論文と、最後のWaltzの論文が本書初出となっています。